二回前の記事にて台湾各地には個性的な廟が多数あると書きましたが、今回ご紹介するのはその中でも特に変わった廟になります。嘉義縣六腳鄉にある五福宮の旧廟で、近づくことはできるが中に入ることはできません。
廟があるのは嘉義縣六腳鄉と申しましたが、雲林縣北港鎮の市街地から至近でどちらかというと北港にある廟として認識されていることが多いようです。私は嘉義から北港ゆきのバスに乗り現地へ向かいました。
バスを最寄りの蘇厝寮で下車。北港は媽祖の街なので交差点には媽祖をモチーフにしたタワー?像?が立っています
蘇厝社區方面へ
堤防沿いの道を歩き、旧廟方面へ向かいます。その途中にも小さな廟がありました
目的地に近づくと電柱にも案内表示がありました。それなりに訪問者がいるようです
未舗装の道を奥へ
すぐに視界が開け、田んぼにでました。そして右前方を見ると…
田んぼから廟が生えています!…ではなく埋まっています。どこかの珍百景番組に即取り上げられそうな光景です
別の角度から
近づいてみたいけれど人様の田んぼに入るのはだめだよね、と考えていると丁度土地の所有者らしいおじさんがやってきて近くで作業を始められ、入ること自体は大丈夫になったものの水は引いているもののぬかるんでいる田んぼなので転ばないよう稲を踏まないよう気をつけて近づきます。そしてすぐ近くにやってきました
正面に回り込んでみました。屋根だけ出ている廟は実にシュールです
さらに近づきます。屋根の上の装飾を間近で見られるのは変な感じ
完全に土で埋まっています。一応廟の周りには簡単な盛り土がしてありますが、水位が上がったら水没してしまうのでしょう
裏手に回ってみました
さて、どうしてこうなったかですが調べたところ以下のような感じでした。
かつて蘇厝村の西北は接し、地面の高さが川の水面とほぼ一緒であったため水嵩が増すとすぐに水害の被害を受けていました。1959年の大災害で廟は激しく損壊し、新しく作られた堤防の内側に新廟が建てられたのが1960年のこと。その際古いものも残され荒廃していき、徐々に堆積した土砂に埋もれて現在の姿になっているようです(一方で調査の結果1970年頃に改築されているという記述もあり、はっきりとはわからない様子)。
少し距離はありますが北港市街から徒歩で行けないことはない距離ですので、時間に余裕があれば立ち寄って奇観を眺めるのもいいかもしれません。