台南市中心部には数多くの歴史建築がありますが、その中で見ごたえがありつつもあまり知られていないのが司法博物館です。その前身は台南地方裁判所であり、本物の裁判所を展示公開しているのでとてもリアルな博物館となっています。
まずは外観から。とても重厚な造りとなっています
裁判所というより国会のよう
中へ。ロビーも宮殿風できらびやか。展示を見る前にもうお腹いっぱいになりつつあります
設計者はあの森山松之助氏。総統府や台北賓館(迎賓館)を設計した当時最も有名な建築家で、この豪華さも納得です
奥の方へ。左右の部屋では歴代裁判官の紹介や女性裁判官登場の歴史などが紹介されていました。またこの天井部分は見学することができ、これはまた別記事で紹介します
通路を抜けるとこんな場所に出ます。判決が出るのを待っているかのような場面ですが、左に並んでいるのは事務手続きなどを申し込む窓口であったところです
ここはちょっとおもしろい部屋で、床が鏡面になっています。そこに天井から逆さに吊るされた塔の模型を反射させ、あたかも屋根の上から見ているようにしています
これが吊るされた模型。かつてこの建物にあった塔で、後に撤去されました
更に奥に行くといくつかの旧法廷があり、それぞれ違った内容で展示しています。ここは清代の裁判の様子
こちらは各時代における裁判制度の紹介。裁判官席から眺めることもできます
回廊を通り隣の棟へ
一番リアルで面白いのはこの模擬法廷でしょうか。被告席に立ってみたり
裁判長席に座ってみたり。何人かで行けば裁判ごっこができます
裁判に欠かせないあれもあります(叩くのは禁止)
戦時中の建築なので防空壕があるのも興味深いところ
売店もあり色々なお土産が売られていますが、一番らしくインパクトあるのはこちらでしょうか
最後に控えているのが拘留所
各部屋はこのような造りで、あまり快適そうには見えませんのでなるべくお世話になりたくないところです
ところで手前のカウンター下には4つのペダルがありますが、これは何でしょう?
実は各部屋の奥にあるトイレを流すためのもので、証拠隠滅を防ぐため自分では流せず確認を受けて流してもらう必要がありました。これはする方もされる方も嫌だったと思います
この博物館はオープンが2016年と比較的新しいためか知名度は低く穴場的存在となっています。一見の価値はありますのでぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか