台湾各地には日本統治時代の神社が様々な形で残っていますが、そのうち一社が宜蘭縣蘇澳鎮にあります。実は以前にも一度訪問しているのですが、一部写真を撮り損ねた箇所がありましたので再訪問してきました。

神社跡へのアクセスは蘇澳駅から徒歩(またはタクシー)になります。ますは旧蘇花公路(9丁線)を目指し、起点から500mくらい進み

天君宮への分岐が現れたらそちらへ右折

そのまま天君宮を目指すと少し手前に狛犬があり、それが最初の遺構となります

台座を見ると「昭和四年」や日本人名が刻まれており、当時のものに間違いありません

右側にも対になったものがあります。台座に対して狛犬は不自然に小さく、阿吽にもなっていないので後から付け替えられたもののようです

たまたま廟にいたおじさんと話をしてこっちに行くと昔のものがあるよ、と向かって右側の道を勧められたのでそちらへ。結果先に本殿の方へ行くことになりました。途中にあった展望台からは蘇澳港を一望できます

こちらが本殿跡。残っているのは台座部分と石段のみ

建物があった部分にはライオンズクラブが設置したモニュメントがあります

旧参道

確証はありませんがこちらもベンチも当時のものかもしれません

さらに先へ

立派な石段が現れました。この急な感じは四国の御本社に似ているような気がします

そのまま下の道路へ至ることはなく行き止まりになりました

よく見ると石段がぶつ切りになり、その先は崖に。もちろん以前は下まで通じていたのですが、蘇花公路の拡幅にあたり干渉するため削られ現在の姿となっています

下に向かって左側には金刀比羅社と刻まれた石柱

昭和二年四月二十日鎮座

そして右側には石のベンチとテーブルがあるのですが

よく見ると側面に奉納者らしき名前が刻まれており、これも当時のものであるとわかります

テーブルも脚の部分に奉納者名が

引き返し石段を登っていきます。かなりボロボロですが、ありがたいことに有志の方が整備されているようで草に埋もれることもなく通ることが可能

中間にこのような段差が設置されており、ここから下は状態が良くないから行かないように役所あたりが設置したものでしょうか?

左右の石灯籠も当時のもの



ここから先は後年整備されたもののようです

現在残っているのはここまで。蘇花公路を観光する機会があったら立ち寄ってみるのもいいかと思います