一德洋樓(林懋陽故居)は日本統治時代に林氏が結婚を機に建てた邸宅の史跡です。和洋中の融合したスタイルで迎賓館としても使われた名建築ながらあまり知られていない節があるので今回取り上げてみたいと思います。

一德洋樓があるのは台鐵太原駅から西に700mのあたり。最寄りはMRT四維國小駅ですが、どちらから行ってもそれほど距離は変わりません。
今回は太原駅から歩いていき、近づくと1925の文字と共に洋風の建物が見えてきました

一德洋樓は三合院主樓・小洋樓・日本家屋の3棟構成

正面の主樓(本館)は洋館ながら配置はコの字になった伝統的な台湾式スタイルを取り入れています

左側の洋館は本館落成後5年後に建てられ、当時かなり珍しかったモダニズム建築となっています。カフェの看板は出ていましたが訪問時は営業しておらず、中を見ることはできませんでした

最後に右手には主人の寝室として使われていたと言われる日本家屋があります。一德洋樓を含め一帯は戦後眷村となっており、建物を囲う門や壁のスタイルにその名残が見られます。
中はレストランとなっており、ミシュランにも取り上げられているようです

本館は見学可能でしたので中へ。回廊には外観同様洋館ベースでありながらも廟のような伝統スタイルが感じられます


(復元されたものかとは思いますが)富豪の邸宅だけあって内装は豪華


昭和板ガラスが使われているのも個人的にはツボ

奥の方へ行くと一德洋樓の歴史を紹介するコーナーやイベントスペースがありましたが

茶藝体験が行われていた部屋は和室でした。一棟に冒頭でも触れた通りこれで和洋中のスタイルが揃うことになり、この史跡の特徴となっています

無料で気軽に見学できますし、なかなか見ごたえもありますので少し足を伸ばして来てみるのも良さそうです