社子島と呼ばれる場所があります。台北市内にありながら発展が大幅に遅れたため畑が点在するなど他の地域とは様子が大きく異なり、「台北の田舎」などと呼ばれています。
実際どんなところか気になったので出かけてきました。

社子島が所在するのは台北市士林區の西方。全体を川に囲まれています。

まずバスで「社子」まで移動します。社子島は社子地区の一部で、ここはまだ島に入っておらず普通に都会。
ここからはUbikeを調達して進みます。

「島」の入口は延平北路七段。標識にも社子島の案内があります。


ここで簡単に社子島について説明しておきたいと思います。
元々この場所に土地はなく、比較的近年になって土砂の堆積によって出現しました。現在は地続きになっていますが、かつては周囲をすべて川に囲まれ「島」でした。その名残で今も社子島と呼ばれています。

地理条件から水害に弱く、1953年の災害では三日三晩全体が浸水するという大きな被害を受けています。そのため市政府によって40年間もの間(資料によっては50年とも)開発が禁止され、他の地域に比べ大きく発展が遅れることになりました。

唯一の主要通りである延平北路。住宅はほぼこの道沿いと直結する路地に集中しています。
ちなみに島内に延平北路以外の住所はなく、すべて枝分かれした路地扱い(延平北路○段×巷)です。

角に廟があったりのどかな雰囲気

伝統的スタイルの家も残っています

道端に立って撮影していると三輪トラックがやってきました。偶然ではありますが2020年の台北とは思えないレトロな雰囲気が出ています。

世界一のコンビニ密度を誇る台北においてなんと島内にはコンビニが一軒もありません。数軒の個人商店が現役でがんばっています。
(googleマップで検索すると一軒だけハイライフが引っかかりますが、一般の店舗ではなく大学内に設置された売店です)

島のちょうど真ん中あたりに設置されたゲート。世外桃源(人が少ない風景の美しい場所)と書かれており、現地でもそういう認識なのですね。
すぐ手前には中学校があり、島内唯一のUbikeステーションもここにあります。

ゲート脇に屋台が出ていたのでここでお昼を頂きました。割とお客さんは多く繁盛しています。

後編へ続く