今季も例年通り12月からサトウキビ列車の運行が始まり、現地へ赴き撮影してきました。
(過去の記録)
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今回もいつも通り…と思いきやなんと前日の最終列車で貨車が脱線転覆するという事故が発生。そのため計画は大きく変わりまったく違う流れとなりました。
去年の2回目と同じく斗六に前泊し、同行の友人と一緒にレンタカーで出発。私はニュースを見ておらず、現地へ向かう途中で事故のことを知りました。
これは運休か…と覚悟しつついつもの工場前踏切へ行くと踏切監視員のおじさんがいます。いつも通り出るか?と期待しながら「(出車は)8時ですか?」と尋ねると「事故があったから8時には出ないよ。午後もわからない。糖包列車は動くからそれを撮ったらどう?」との回答でやはり動いていませんでした。
相談の結果、とりあえず事故現場へ行ってみようということになり車をスタート。ニュースに「北平路付近」と出ていたので場所はすぐに特定でき、到着すると踏切西側(麥寮方)にサトウキビを積んだままの貨車が留置されているのが見えました
踏切を渡って反対側(糖廠方)へ行くとそこが事故現場で、サトウキビなどが散乱しています
手前には壊れた貨車の残骸も
そしてポツンと1両だけの貨車。「脱線車 入庫」と書かれており、当該車両のうち1両のようです
しばらくしていると次々と作業員が到着し、復旧作業が始まりました
こちらは溶接機材を積んだ車で、線路の修復を行います
この日は日曜日でしたが総出で復旧にあたられるようです。これは今日中に運行再開すると確信した我々は虎尾に留まることを決め、他所に行っても仕方がないのでこの場で邪魔にならないように気をつけながら作業を見学することにしました。
脱線箇所のレール自体は前日のうちに交換されており、仕上げの溶接やボルトの締め直し、地面を固める作業などが行われています
溶接が終わった線路
ゲージ幅を確認
隣では散乱したサトウキビや瓦礫(貨車がぶつかって?壊れた壁など)の撤去が行われています。どちらもすばらしい連携で非常に効率よく作業が進んでいます
夢中になって撮影しているといつの間にか工場から単機で機関車が到着していました
こんな近くでゆっくり機関車を撮れるのは貴重な機会。正面より1枚
運転室のドアはないので中を覗くことができます
すると運転士の方が上がっていいよ、と声をかけてくださり中に入って撮影することができました!
メーター類は中央に配置されており、自動車のようにオドメーターもついています(現在走行距離は97804km)。速度計は45km/hまでで、実運行の最高速は30キロくらいでしょうか?
左側にはアクセル・ブレーキらしきペダルとラベルのないレバーが3つ。一つは前後逆転かと思いますが、あとは何でしょうか?
2時間ほどで復旧作業は終了し、早速残された車両の収容が始まりました。まずは1両だけ残った脱線車両を推進運転で麥寮方へ押し込みます。復旧されたばかりの線路をゆっくりと通過していきました
踏切を渡り、残りの貨車と連結
すぐに進行方向を変え、工場へ向かいます
(脱線は編成の中間で起き、工場方の車両は昨日引き揚げていたため)本来よりは短いですが、それでも機関車含め26両編成の列車が復旧現場を通過していくシーンはとても感動的でした
関係者の皆様、お疲れ様でした!(ささやかながら差し入れをさせていただきました)
無事復旧しましたので引き続き通常の撮影行程に入ります(後編へ続く)