台鐵北迴線沿線には多数のセメント工場が存在しており、車窓からその姿を見ることができます。
大手は二社のみ(台灣水泥・亞洲水泥)で、そのうち台灣水泥(台湾セメント)のPR施設が和平駅の近くにあり見学できるほか毎日定期ガイドツアーを行っています。
いくつかのプランがあるのですが、そのうち港や採石場などを巡るツアーにかなり興味が湧いたので参加してきました。
参加するには事前にネットで申込みをする必要があり、空き状況もリアルタイムで見ることができます。私が参加しようとしていた日は参加人数が0となっており、最初の一人でした。そのためもし催行されないと大変なので事前に問い合わせたところ「1人でもお客さんがいればやりますよ!」とのお返事。
さらに10:20までに集合となっているのですが、最寄りの和平駅は特急が止まらず列車の本数が少ないため到着がどうしても10:25頃になってしまいます(まあほとんどのお客さんは車で来るのでしょう)。こちらについても「最悪開始時刻である10:30までに来てもらえれば大丈夫です。当日も電話で到着状況を確認させていただきます」と快くOKを頂きました。
そして当日。集合場所であるPR施設へ向かいます
結局この日の参加者は私一人のみ。このツアーは日によって満員になっており、たまたまこうなったようです。
それに対して専属のガイドさんとさらにアシスタントの方がおり、さらに専用バスの運転手さんもいますので合計3人の方がつきっきりというVIP状態で申し訳なさ満載。参加料の500元を支払い、ツアー開始です。
最初に軽くPR施設の展示内容を解説した後、専用バスへ
バスはどんどん山の中へ入っていきます。向かう先はこの山にあるセメント原料の採掘施設。目的地に着くと説明看板が立っており、まずは施設の構造についての説明がありました。
山の上で採掘された石は巨大な井戸へ投入され、まっすぐ下へと落ちていきます(実際には詰まった状態になっており、下側で取り出された分だけ下がっていくとのこと)。山の内部で細かくしたあと今度はベルトコンベアでトンネル内を水平方向へ移動し、第二の井戸に投入されて引き続き運ばれていきます。現在いる場所はそのトンネルの前(標高250m地点)
丁度この場所からは施設を見渡すことができます。見えるほとんどの範囲がセメント会社のもの
ガイドさんと入り口にて
中はこんな感じになっています
壁には所々に小さな鍾乳石のようなものができていました
そして奥にははるか先まで続くベルトコンベア。奥から流れてきた砕石はここで直角に向きを変え、下へ向かって落ちていきます
ところで列車が和平駅付近を通過する際車窓にはこんなものが見えます。この通路の中がどうなっているのかずっと気になっていたので質問してみたところ、ここと同じようなベルトコンベアが入っていますとのお答え。人が歩くようにはできていないそうです。なるほど
引き返して外界へ
バスが次に止まったのは山の中腹にある小さな園芸場。ここでは掘った後の山に緑を戻すため、現地の植生にあった苗木を育てているそうです
向かいには社員の方が奉納?した絵馬。セメント会社らしくセメント製です
近くには使われなくなった古い輸送管が残っており、こっちのほうが気になりました
バスは港へ向かって走ります。入口で港専属の案内係の方が乗ってこられ、なんと1:4の超VIP編成に。
この港は台湾セメントの専用港で、セメント工場・発電所で使用する燃料の輸入や製品の輸出を担い、陸路を介さないことでCO2を削減されているとのこと
港は環境認証を受けており、岸壁から海面を覗くと
魚やウニなどがいました
PR施設へ戻り、ソフトクリームを頂いて終了。このソフトクリームにもちゃんと意味があり、排出されたCO2を栄養にして育てた藻(健康食品として有用だそうです)を
練り込んでいます
最後にお土産まで頂き至れり尽くせり。セメント製の置物と、更にfacebookでこのツアーをシェアするとドリンクホルダーを頂けました
2時間半のコースでしたがあっという間でした。もし機会があれば今回のツアーには含まれていなかったセメント加工場・発電所も見てみたいですね。
左から二番目がメインガイドをしていただいた方。ピンチヒッターだったそうで、ツアーが終わると本来の持ち場に戻られていました。半日ありがとうございました!
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