今や台湾各地にお洒落な民宿・ホステルが多数でき、若い人の経営が多いので日本語や英語も比較的よく通じ、予約サイトの対応も当たり前なので安く旅をする際にとても便利です。しかし一昔前台湾で安く泊まれる宿泊施設といえば旅社が定番でした。
旅社とは一言で言えば台湾式の伝統的な安宿で、最低限の設備やアメニティを備えた宿泊施設です。百聞は一見にしかず、どんなところか見てみましょう。
ここは雲林縣斗六市にある桂賓大旅社です。名称は〇〇旅社・〇〇大旅社となっていることが多いです。
古くからあり大抵は駅前にあり立地は非常に良いです。見た目は古めかしいですが、中身もやっぱり古めかしいです。
入り口。日本で言うところの昭和の香りがプンプンしますね。
ピンボケ写真で申し訳ないですが(わざとではありません)、カウンター。大抵おばちゃんが座っています。ここで空室や料金の確認をしますが当然中国語しか通じず、話せない場合は筆談などになります。大抵複数のタイプがあり、冷房の有無・バストイレの有無などで変わります。地域にもよりますが400元~700元くらいが相場で民宿のドミトリーより一回り高い料金で個室になります。
中国語ができれば事前に予約しておくといいですが、割と適当なこと多いです。名前を聞かれないのはよくあることで、宿によっては(信じられないかもしれませんが)予約はやってないというところもあります。つまり当日勝負です。このあたりは設備が古いため、中身を見てから決める人も多いという事情もあるようです。
では中に入りましょう。廊下はこんな感じ。ここはシンプルですが、増築を重ねて迷宮になっているところもあります。
戒厳令時代を感じる空襲避難図。台鐵の駅でもよく見かけましたが、建て替えで最近は少なくなりました。
部屋の中へ。ここはクーラー+扇風機、テレビ、冷蔵庫付で700元でした。アメニティも一通りあります。しかし旅社には大きな弱点があり、それはWiFiがないことです。これだけネットが一般化しても、おばちゃん経営の旅社では付いているところはほとんどありません。モバイルルータなどがあればいいですが、施設のWiFi頼みの旅行者には不便です。
水回り。やはり歴史を感じます。部屋を見てから決める場合、お湯が出るかどうかの確認は基本。
ここはフロントの対応もよく、気持ちよく宿泊できました。
万人におすすめできる宿泊施設ではなく、利用のハードルもそれなりに高いのですが昭和の香りが好きな方は試してみるのも一興です。よほど慣れているのでなければあまり安いところは味がありすぎるので、初めてであれば500元以上のところが良いと思います。