六十石山は花蓮縣の台東寄りにする山で、8月後半から9月前半の期間限定で一面山吹色の幻想的な光景を見ることができます。太魯閣渓谷と並んでよく観光ポスターにも使われるスポットです。
是非一度は訪れてみたい素晴らしいスポットなのですが、一つ大きな欠点がありそれは公共の交通手段がまったくないことです。基本ここを訪問するためには車を用意するか、貸切タクシーなどで行くしかありません。混雑緩和のためにもお役所がシャトルバスを用意して駅を経由する形でパーク&ライドをしたらいいと思うのですが、そういう気はないようです。

グループであればタクシーでいいと思うのですが、今回のように急に計画してふらりと一人で来てしまった場合はコストの面でなかなかそうもいきません(貸切タクシーはNT$3000くらいが相場)。幸い私は登山も趣味ですので、ハイキングも兼ねて計画することにしました。
とはいえそれでも麓(登山口)まで行くだけでも大変です。交通手段としては鉄道とバスがあるのですが、どちらも本数が少ないのです。私は花蓮市に前泊し、早朝に一本だけある直通莒光號(花蓮6:41→東竹8:36)を利用しました。なおこの後午前中の鉄道はこの後玉里発の各駅停車が1本あるだけで、あとは午後3時まで停車する列車はありません。

乗車した莒光號。見ての通りガラガラでした。

東竹駅。田舎の小駅ですが、有人駅です。

駅から国道へ向かう途中の道。前方に見える山を目指します。

数分歩くと国道に出ます。ここに2軒ほど商店がありますので、飲み物を持っていない場合はここで仕入れましょう。登り始めると上に着くまで買うことはできません。

少し台東方向へ進むと山への入り口があります。わかりやすい看板がありますので間違うことはないでしょう。

向かいには立派な石碑が。

早速山頂を目指してハイキングを開始します。8kmで所要時間は概ね2時間半程度。生憎の天気でしたが観光客は多く、車がどんどん吸い込まれてきます。

途中にあった妙に味のありすぎるイラスト。

コースは一本道でひたすら舗装された坂道を歩いていくことになります。前半は傾斜が急な区間が多く、少々大変です。歩き始めから50分ほどでこんな看板が。

「看風景」(景色を見よう)

ということで景色を見ました。他にも「ちょっと一休み」「ご飯ですよ」という看板が立っており、その先には

途中唯一の休憩所がありました。ここで食事もできます。脇には辛苦大家(みんなお疲れさん)と100%同意したい看板が。ちなみに大部分が車ですが、時々自転車が上ってくるのを見かけました。本当にお疲れ様です。

その少し先の道端で本日最初の金針花を見かけました。花畑はまだまだ先なのですが、種が飛んできたのでしょうか。

麓から1時間10分、4.5km地点に開けた場所があり花東縱谷を一望することができます。何台かの車が止まって写真を撮っていました。

そしてついに目的地に到着です。毎年来ているスポットですが、何度見ても素晴らしいです。



ここから1km以上素晴らしい光景が続きます。歩いている途中で新竹から来たという夫婦と知り合い、一緒に見て回りました。旦那さんはエンジニアを引退し今は農業をやっていて、なんと午前3時に新竹を出発したとのこと。
時折雨がパラつき天気は今ひとつなのですが、雲がかかり逆に幻想的な風景となっています。黄色い部分と緑の部分があるのは本来この花は観賞用ではなく食用に栽培されているもので、本来の目的通り摘み取られた部分は花がなくなるので緑色に、観光用に残してある部分が黄色になります。

花を近くで見るとこのようになっています。満開情報を入手して来たのでちょうどいい感じで綺麗に咲いています。

神隠しに遭いそうな光景。

時々晴れ間ものぞきました。完全に晴れた日に来たらそれはそれでまた違った美しさがありそうです。


是非また来年も訪れてみたいと思います。

帰りは花蓮市方向へ向かう夫婦の車にそのままお世話になり、花蓮駅まで送っていただきました。帰りはバスのみが頼りであったため(鉄道は夕方まで東竹に停車する列車がない)、非常に有難かったです。連絡先を頂いたので後日お礼をさせて頂こうと思います。

六十石山金針花海
玉里駅からタクシー(東里駅、東竹駅などでは捕まりません)
シーズンは8月下旬~9月中旬くらいまで