先月ネットを眺めているとこんなニュースが流れてきました。
「90年続く名店「戴記扁食」がまもなく閉店」
戴記扁食といえば花蓮市外でも知名度のある扁食(ワンタン)の有名店で、業界のシンボル的存在と言えます。かつて蔣經國総統が愛した店でもあります。
そんな戴記はもちろん人気店で行列が絶えなかったのですが、経営者の高齢化で負担に耐えられないということで8月31日をもって閉店することになり、その知らせは全国ニュースになるくらいでした。
今回改めて食べに行く予定はなかったのですが、元々土曜日に入っていた予定がキャンセルに。急に8月最終の土日が開くことになり、検索してみたところ普段予約が取りづらい定宿も空いていたので花蓮行きが決定。丁度お昼時の到着でもあり、これは呼ばれているということで行ってみることにしました。
店の前に到着。やはり混んでいます
報道によると別れを惜しむ地元民で大行列とのことだったのであまりに混んでいたらやめようと思いましたが、正午前の到着で行列は店の角を曲がって少しくらいまででした
これなら1時間はかからないだろうということで行列に加わります。最初はなかなか進みませんでしたが、テイクアウトに切り替える人が出たり途中から一気に進んだりして結局30分ほどで入れました
店名表記
3代続く老舗
営業時間は短縮されており、夜の営業はないので注意
メニューは一種類のみ、入口付近の調理場でひたすら茹でられていきます
1階席は狭く、テーブル2つとカウンター
私が案内されたのは2階席。こちらも大きくはないものの丸テーブルと奥のテーブル+カウンターでそこそこの人数が入れます
壁には將經國総統の写真が飾られていました
ではいただきます。「シンプル」という言葉を具現化したような味で、説明されなくとも化学調味料など使っていないのがはっきりわかります。人によっては物足りないと感じるかもしれないけれど、長く愛されるのはこういう味なんだなと思いました
このお店はまもなく終焉を迎えますが、実は戴記自体がなくなるわけではありません。実のところここは支店であり、本店はなんとアメリカのシアトルにあるのです。以下はネット記事の翻訳
「元々屋台から始まった店は姉弟に引き継がれた。最初は共同経営であったがそりが合わなかったため袂を分かつことになり元々の店(液香)は弟が継いだ。姉はアメリカに渡り戴記を開店、成功を収め花蓮に戻って支店を開く。その後離婚し前夫が開いた店が花蓮扁食店」
ということで引き続き味わいたい方はアメリカへ行くか、ルーツが同じ液香へ行くのがいいかもしれません