台北市と陽明山を挟んで反対側にある町、金山。当サイトでも温泉記事などで何度か取り上げております。その金山への一般的な公共交通機関ルートと言うと
1.ダイレクトに陽明山を突っ切るルート(皇家客運1717路バス)
2.山を迂回して高速道路経由(國光客運1815路バス)
のどちらかになるかと思います。MRT淡水駅経由で海岸線を行くルートもありますがかなり大回りで時間もかかりますので単純に金山へ行く目的ではほぼ使われません。ほとんどの方は本数が圧倒的に多く運賃も安い國光客運を利用するかと思います(台北駅-金山間運賃 皇家客運145元/國光客運117元)。最近は國光客運とほぼ同ルートを走る953路バスもあり、本数は少ないながら運賃がさらに安く定額定期券も使えるので一定の利用客がいます。
地図で見るとこのようなな感じです。ワインレッドが1717路、緑が1815路。
さて、一般的なルートがあればそうでないルートもあるわけでして。ある日地図を見ていると両者の中間にも陽明山の端を掠めるようなルートがあることに気が付きました(青色)。さらに拡大してよく見るとほとんどの区間にバスも走っており、ただ市境の峠付近のみ中断してしまっているようです。
ということは逆に中断区間さえ歩いてしまえば公共交通で通過できる「第三ルート」というわけで、どんなルートなのか台北市側から新北市側へ向けて移動に挑戦してみました。
改めて第三のルートを地図で見るとこのような感じになります。台北市側の起点はMRT劍潭駅、新北市側の終点は萬里です。赤色が市バス区間、緑色がコミュニティバス区間。そして中間の青色が徒歩連絡区間です。
まずはMRT劍潭駅まで移動し、市民小巴1路に乗車します。しかしいきなりこれが本数の少ない路線で1日5往復のみ。
10:10の便に乗るべく20分前には着きましたが、連休の晴天とあって陽明山方面の路線はどれも長蛇の列。この路線ももちろんそうで、乗り切れるか心配でしたが案の定20人以上積み残しが出てしまい、私も乗れませんでした。いきなり計画頓挫の危機ですが、臨時便が10分後に出るとのことでそちらに乗れました。
渋滞する市街地区間を抜け
故宮を過ぎると山道に入ります。小型車は難なく通行できますが、大型車は厳しいですね。
風櫃嘴で下車します。バスは引き続き左の道を頂山まで行きますが、峠越えは右の道。ここから徒歩区間に入ります。
上り坂をひたすら歩いていきます。途中にあったハイキングコース案内の看板。聖人瀑布方面からも来られるようです。
行き交うのはハイカー、チャリダー、ツーリングのバイクなど。完全にレジャー路線で単純に移動目的の車は皆無に見えました。
再びハイキングルートの案内。実はこれを進むと峠までショートカットできたようですが、今回は車道の方を進みます。
水牛注意の看板。台北市内でこれにお目にかかれることに驚き。
徒歩25分程度で峠のてっぺん風櫃嘴へ到着しました。ハイキングコースの交差地点でもあり皆さんここで休憩していらっしゃいます。
左の山へ入ると縦走コースで陽明山方面へ行けるようで、いつかやってみたいですね。
少し登ったところから新北市側を望む。
台北市側には展望台がありましたが、あまり大した景色は見えず。
引き続き今度は下っていきます。峠を出てすぐに新北市境。
こんな感じの道を下っていきます。交通量はそこそこありますが、台北市側と違ってチャリダーやハイカーの姿はぐっと少なくなりほとんどが車。
なんと途中茶店もありました。
ようやく終点らしき場所に着きました。バス停からおよそ50分かかっています。地図では少しに見えましたが、道がつづら折りなので思ったより遠かったですね。
静かな山中の集落です。
googleマップではこの場所がバス停だ!と主張していましたが、実際にはもう少し下った場所が正解でそこにポールがありました。
ここからはコミュニティバスF922路(緑色の区間)での移動になります。経由が違う2ルートありますがどちらでもOK、しかし両方合わせてもやはり1日5本しかありません。
そして30分ほどで萬里へ到着しました。
金山まで行く場合はここで別のバスへ乗り換え。本数は多数あるので大丈夫です。
バスの本数が少なく時間もかかる(しかも1時間近く歩かなくてはならない)ので実用性はありませんが、到着すると達成感がありちょっとした冒険としては面白かったと思います。