これまで2回ほど(その1その2)貝殻廟を紹介してきましたが、風変わりな廟はまだまだあり今回取り上げるのは石頭廟(石の廟)です。

石頭廟が所在するのは高雄市燕巢區。最も有名なグァバの産地であり、近年は高鐵の車両基地がある町としても知られています。
廟まで行くバスも一応あるのですが本数が少なく、乗ってきたバスが終点へ着き折り返してくるわずかな時間で見学するしかない(さもなくば数時間の滞在)となりますので現実的ではありません。

そこで私が利用したのはこちら。

燕巢市街まではバスが多数ありますので、ラスト1マイルをUbikeで補完する作戦。それにしてもあまり利用者が見込めないのか慎ましやかなステーションです。

廟までは7kmほど。アップダウンを繰り返す道で、google先生の予測では28分です。
このあたりは廟の密集地なのかすごい看板がありました。

沿道にはグァバ畑ももちろんあるのですが、意外にマンゴー畑が目立っていました。見かけたのはすべて金煌マンゴー。

途中これといった観光施設やスポットはないのですが、一つ気になった場所がありました。
「鐵道教練場」と書かれた石柱が立っており、張り紙には軍用地とも書かれています。しかしこのあたりに鉄道はなく、かなり謎な施設でした。

ほぼgoogle予測の通り30分弱で現地に到着。廟ではありがちですが、「え、こんな何もないところに?」という立地です。
建物があるのは車が停まっている場所の後ろあたり。

しかし中にはいると何台も車が停まっており、観光バスなどもいてかなりの賑わい。
石段の先にある廟からはすごいオーラが放たれています。

本体へお参りする前、先に向かいにある建物のほうへ行ってみました。
こちらにも正面に神様がいらっしゃるのですが、すごかったのは右側にある場所です。

入ってみると中身は完全に自助餐の店

おかずもかなり充実していて何種類もあるのですが、なんとこれらはすべて無料。お賽銭などの形で気持ちを表すことになります。
参拝者に簡単な食事を提供する廟は他にもありますが、ここまで充実しているところは見たことがありません。丁度昼食を食べそこねていたのでありがたく頂きました。

外には売店もあり、こちらで食べ物を買うこともできます

さて、それではメインの廟へ向かいます。今更ですが石頭廟は通称で正式名称は壁に書かれている通り慈玄聖天宮となっています。

入り口は遊園地のアトラクションのよう

しかし柱に沿って観音像が並び、廟であることを主張しています。よく見ると上の方にサルもいますね。

「石頭廟」呼ばれていますが意外と石が使われている箇所は少なく、実際にはサンゴが多く用いられています。

中に入るとRPGの洞窟感満載



「洞窟」を抜けて二階の高さにあるご本尊の前に出てきました。さすがに石が貼り付けられているということはなく、普通のスタイルです。

インパクトがあったのはその手前に設置された像。ご本尊を拝んでいる姿がガラスケースに収められています。

再び「洞窟」へ入り、反対側へ抜けます。モンスターが出たり、重要イベントが起きたり…はしませんでした。

そして唐突に現れる床屋の椅子。休憩用?でしょうか…まさか青空理髪店などということは。

そしてまた唐突に漂う生活臭。こういうおおらかさ、いいと思います。

アクセスは相当不便ですが、一度訪れる価値は十分にあるスポットでした。