台鐵の小駅を訪ねるシリーズ、今回は宜蘭線の新馬駅です。

新馬駅は優等がそこそこ停車する冬山駅と蘇澳新駅に挟まれた小駅で、もちろん停車するのは區間車のみとなっています。
降りてまず印象的なのが湾曲したホーム。こちらは蘇澳新方

そしてこちらが冬山方

地図で見ると線路が当駅を挟んで90度近く曲がっていることがわかります。

そしてこのきついカーブは悲劇の現場ともなっています。まだ記憶に新しい普悠瑪號脱線衝突事故が起きたのがこの駅で、冬山方から規定を大幅に上回る速度で進入してきた列車がこのカーブを曲がりきれず脱線し、壁に衝突して多くの死傷者を出しました。
その痕跡は一部だけ真新しい壁に見ることができます。

隣駅の蘇澳新駅まではわずか0.9km。こんなにも近いのは北迴線が開業するときに宜蘭線から分岐する箇所に後から蘇澳新駅が作られたためで、烏日と新烏日が至近であるのと似た理由です。
この近さには後で助けられることになりました。

ホームからみた駅舎。かなり年季が入っているのがわかります。

そちらは一旦置いといて、先に右の駅舎がない方へ行ってみることにしましょう。跨線橋を上がり

見下ろすと目に入るのは町工場と田んぼ。奥に見えるカラフルな建物はクレヨンの観光工場。
裏口的な出口ですが街はこちら側にあります(ただし1kmくらい先)。

跨線橋を下りたところ

外からホームをみたところ。上屋はごく短いものが設置されており、ICカードリーダもここにあります。
利用者の少ない駅なので恐らくこれくらいでも問題ないのでしょう。

跨線橋を渡って駅舎の方へ

件の普悠瑪號が通過していきました

木に隠れるようにある古びた駅舎

改札口は台東線の小駅で見るようなタイプ

駅舎の中から

壁を見ると出札窓口を埋めたような跡があります。記録によると2000年に降格とありますので、それまではきっぷを売っていたようです。

無人駅ですが、コロナのため体温計測の人が派遣されています。

外に出てきました。工事現場の一角のような雰囲気があります。

今は新馬を名乗るこの駅、かつては初代「新城」駅でした。北迴線開通時に二代目「新城」駅が設けられることになり、元祖が名前を奪われ改称、その後再度改称して現在に至ります。
駅舎はかなり老朽化していますが列車事故をきっかけに線路付け替え・駅移転が計画されているため、建て替えられる予定はないようです。

駅前は国道9号

若干の集落と商店があります

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国道を渡った奥には田んぼ、その先は山

さて、この後は一旦各駅停車で羅東に引き上げ、折り返して快速で花蓮へ向かう予定でした。ところが各駅停車が遅延し折返し列車に間に合わない事態に。ここで蘇澳新駅(快速停車)が近いことを思い出し、一駅歩いて直接快速に乗車することで事なきを得ました。

いずれは移転してひっそりと役目を終えると思われる現新馬駅。興味のある方は現役のうちに訪問してみるといいかと思います。