前編はこちら

さて、河原に着いたものの温泉は見当たりません。GPSで確認すると少し上流方向へ進んだ場所にあるようです。

とりあえずこちら側を進んでみましたが、すぐに阻まれてしまいました。
どうやら反対側へ渡らなくてはならないようで、よく見ると対岸の岩場にロープが張られているのでやはりそれが正解の様子。

裸足になり、川の中へ入りましたがこれがこれまでで最大の障害でした。
訪問時水深は膝くらいまでで、気をつければ流されることはないのですが問題は水温です。南国とはいえ冬の山中なのでかなり冷たく、数秒も浸かっていると痛みを感じるレベルでした。
長く浸かると危険なのは明らかで、速やかにかつ滑って転んだりしないよう渡らねばなりません。

なんとか渡ると今度は岩場です。岩の側面をへばり付くようにロープを掴みながら進んでいきます。とても写真を撮る余裕はなかったので画像はありません。
もし手が緩むと冷たい水の中にドボンです。

するとついに温泉が見えてきました!

少し落ち着ける場所に出たので来た方向を振り返り。左手の岩場を進んできました。

動画も少々


そして温泉真向かいの岩に到達!ここから温泉全体を見下ろすことができます。
中央付近にある2つの楕円が”湯船”

エメラルド色の塊は温泉成分の結晶


少し下流側には小さな滝

さて、ここでしばらく悩むことになりました。温泉は元いた側、対岸にあるのです。つまりもう一度川を越えなくてはなりません。今度は先程よりやや深く、リスクを考えて引き返すことも考えました。

5分ほどの思考を経てまずそうならすぐ引き返すという条件のもとで挑戦することに。ただし水中で転ぶリスクを考え荷物や電子機器は置いてきたため渡った後の写真はあきらめました。
実際水中で少し滑ってポケットが濡れたのでこの判断は良かったと思います。

温泉は適温で快適、川で冷えた身体には心地よかったです。しかも早く着いたため誰もおらず、ゆっくり楽しむことができました。これも早めに出発したおかげです。
水深はとても浅いので足湯か、全身浴をしたい場合は寝そべる格好になります。

すっかり堪能したところで再び川を渡り対岸へ。振り返り1枚撮影して温泉を後にしました。

今回は渇水期に訪問したため無事到達することができましたが、雨季では水深が1m以上にもなり危険なばかりでなく、肝心の温泉が水で隠れてしまうため見ることもできないとのこと。くれぐれも時期は間違いないようにしなくてはなりません。

あれだけの急斜面なので帰りはさぞかし大変だろうと覚悟していたら、意外にも上りのほうが楽に感じました。ただし時間は行きよりかかっています。
(往路1時間23分/復路1時間42分)
スタート地点付近まで戻ってきました


ここでおばちゃん二人連れに会い、色々話していると高級品だというリンゴをいただきました。さらに私が独身だと知ると「知り合いの子紹介するわ」と名刺を持っていきましたが…本当に連絡くるんでしょうか??

栗松温泉、噂に違わぬ秘境仙境で苦労して着た甲斐があると思える場所でした。私は個人で来ましたが、なるべくツアーへの参加をお勧めします。台東市からの送迎もあります。
--以下余談--
車に戻り、台東方面へ戻る途中で休憩スペースを発見。立ち寄ってみると温泉が設置されていました。

足湯用かと思われますが、温泉たまごを作ろうとする強者グループも

駐車場から見える対岸には栗松と同じく温泉成分が結晶した鍾乳石の壁

最後に鹿野へ立ち寄り茶葉も購入、大満足の旅でした。