※今回は少々マニアックな内容となっております
先日の記事にて新旧システムで異級票の運賃が異なることがニュースになっているということを取り上げましたが、実際に検証結果が出ましたので改めて記事にしたいと思います。
1.南港→萬華
對號(座席指定)区間 南港→台北9.2キロ+非對號(自由席)区間 南港→萬華2.8キロ=12.0キロ
旧システム(再掲)
運賃27元
新システム
運賃25元
確かに報道の通り運賃値下げがあったわけでもないのに同じ区間・クラスの運賃が安くなってしまいました。これはそれぞれ以下のロジックで計算された結果によるものです。
(旧システム)
A.座席指定区間9.2キロ(10キロ未満は10キロに切り上げ)×自強號2.27元/キロ = 22.7元→23元
B.自由席区間2.8キロ×區間車1.46元/キロ=4.088元→4元
A + B = 27元
(新システム)
A.座席指定区間9.2キロ×自強號2.27元/キロ = 20.884元→21元
B.自由席区間2.8キロ×區間車1.46元/キロ=4.088元→4元
A + B = 25元
旧システムでは座席指定区間が10キロ以下の場合は10キロに切り上げて計算し、そこに自由席区間の実キロで計算した運賃を足しています。ですのでこのケースでは12キロしか乗っていないのにもかかわらず12.8キロ分の運賃を払わされています。
新システムでは実キロ計算です。
2.松山→萬華
對號(座席指定)区間 南港→台北6.4キロ+非對號(自由席)区間 南港→萬華2.8キロ=9.2キロ
旧システム(再掲)
運賃27元
新システム
運賃23元
(旧システム)
A.座席指定区間6.4キロ(10キロ未満は10キロに切り上げ)×自強號2.27元/キロ = 22.7元→23元
B.自由席区間2.8キロ×區間車1.46元/キロ=4.088元→4元
A + B = 27元
(新システム)
通算10キロ以内のため座席指定列車(運賃が高い方)の初乗り10キロで計算し
10キロ×自強號2.27元/キロ = 22.7元→23元
こちらはさらに安く27元(旧システム)が23元(新システム)になってしまいました。
旧システムでは座席指定区間が6.4キロと1.より短いにもかかわらず10キロに切り上げてしまうため、運賃は南港から乗車した時と同額の27元です。新システムではそれがないため運賃に差が出ます。
システムの設計で運賃が変わってしまうなど本来あってはならないことです。合理的なのは新システムの方で、確認していませんがネット情報では規則上も新システムの方が正しい計算方法のようです。
つまり今までは運賃を取りすぎていたわけで、日本であれば公式サイトにお詫びを出して返金対応となるところです。しかし発売実績がわずかであったこともあり(わざわざこのような短距離の乗り継ぎきっぷを窓口で購入する乗客はほぼ皆無で、ほとんどICカード利用でしょう)特に何の措置も行われないようです。